hon-chanのブログ

フレネ教育を実践&研究している小学校教員です。同質性を求めるのではなく、異なる他者がお互いを尊重し、協働し合う関係づくりができる教育を考えています。主に、ことばを中心に学びを考えています。

コロナ禍の中で、ことばの学びと交流をつくる

さて、何をしようか‥

 3月から休校が始まり、新年度も引き続きの休校。私自身は、毎年クラス替えはしているものの、1・2年生から引き続いて3年生の担任となった。

 その中で、国語の学習課題を考えることになったのだが、ただ問題を解くようなドリル的な学習ばかりになるのは避けたい‥(新出漢字を進める課題は出しましたが)。

 考えたことは、次の3点を意識しつつ、どんな取り組みにするかでした。

1 低学年からのボトムアップの学びをつくる

 1年生から積み重ねてきた、サークル対話や協同推敲など、これまでのことばの学びの経験を生かしていくこと。

2 学校ではできない、家にいることを生かす

 緊急事態宣言の中、外出できないことを逆手にとって、家でだからこそできることは何か、また机の前でじっとするのではなく、家中をうろうろしながら、探し回って楽しめる?こと。

3 子どもたちが互いを知る、交流し得る学びにする

 サークル対話は、私の興味のあることや伝えたいことを伝え合う場です。その延長線上にある学びとして、家にあるものを紹介することを通して、それぞれの好きなものや気になるものを最後は学校で本にして仕上げ、読み合う交流の場をつくること。

 

 そして、考えに考えあぐねつつ、取り組むことにしたのが「家のあいうえおブックをつくる」でした。

「家のあいうえおブック」とは?

 「家のあいうえおブック」がどのようなものかを簡単に説明すると… 

 家の中で、「あ」のつくものから、「わ」のつくもの(おそらく「を」と「ん」で始まるモノはないでしょうからね)まで色々なものを見つけます。そして、その見つけたものにまつわるエピソードや紹介などを書く、というものです。好きなものを見つけて、そのわけを書くのも良いし、反対に嫌いなものでも、小さい頃の思い出のものでも、自分が初めて発見したものでも、何でも気になったものなどを取り上げて良いものと考えました。

 何を選ぶのかにも、それを紹介する文にも、その子らしさが現れるだろうし、場合によっては家族と一緒に探して、見つけたものに対してああでもない、こうでもないと亜話がふくらむことがあっても面白いなぁと思いました。 

 

 そして、次のことだけを約束として、見本を添えて示しました。

  ①ひらがなを大きく書く(例は、「へ」と「く」)
  ②見つけたものをひらがなで大きく書く。(例は「ヘルメット」と「くつ」)
  ③見つけたものを絵でかくか、写真をとってはってもよい。
  ④そのもののエピソードやしょうかいの文を書く。

 

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教師も楽しむ

 この課題を伝えた後は、どう書くかなど迷う子街ることを想定し、また私宛に届いた質問に答えること兼ねて、私自身も「家と学校のあいうえおブック」として、子どもたちが見られる学校のページに、定期的にアップをしています。

 ここで、そのいくつかを紹介します。

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子どもたちの反応は

 休校期間中に、何度か子どもたちと電話で話をしたときも「いいの見つけたよ」「色々探して迷ってる」などなどの声がありました。学校が再開したときに、どのような作品ができるのか、楽しみです。

 そして、教室の中で、休校中につくった「家のあいうえおブック」から、子どもたち同士でどのような学びが生まれるか、どのような交流ができるか、ともに考えていきたいと思います。