あそびながら!のローマ字学習
はじめに
現在勤務している学校では、3回目の3年生。12月に、一週間ほど家庭学習期間があるため、私はローマ字はその時期に合わせて学習してきました。
今回は、外国語にも取り組んでいることもあり、本格的に「あそぶ」ことにしました。
ローマ字について
ローマ字については、しっかりと教材研究をされている方もいるとは思いますが、あまりしっかり取り組まないことが多いのではないでしょうか。
教科書は、訓令式を中心にまとめられていますが、身近な所のローマ字などで紹介される写真の中は、ヘボン式のものも見受けます。また、別の書き方という程度でこの訓令式とヘボン式の違いもはっきりしていないのではないでしょうか。
私としては、ヘボン式で進めることをオススメします。理由は、駅名をはじめとする街中での表記やパスポートなどがヘボン式であること、英語学習にスムーズにつながるからです。
英語学習につながる、という一例を挙げると、「ちゃ」ということばを訓令式で表すと
「tya」ですが、ヘボン式ですと「cha」となります。もうお気づきだと思いますが、「チャンス=chance」「チャレンジ=challenge」のようになりますから、後々にも混乱が少ないのです。
どうせなら、教科書もヘボン式中心に扱えば良いのに…と思います。
学習の冒頭は
まず、基本的な学習と、簡単な習熟は行いました。ただ、子どもたちはなかなか覚えないし、習熟をめんどくさがるんですよね…。そりゃそうです、ローマ字学習は自分の生活ではあまり必要性もなく、降ってわいてくるものですからね(もちろん、最近はプログラミングなどでふれる機会も増えてはいますが)。
どうやって、日常でローマ字を意識的に見つけたり考えたりするようになるか、覚えるをどう主体的にするかがカギだと考えました。
学習の最初は、ごく簡単に進めました。
①あいうえおは、aiueoと表せ、これを母音ということ
②か行から先は、k・s・t・n…を子音と言い、これを母音を組み合わせて表すのだということ
③ローマ字ドリル(ヘボン式)を使って個々に習熟(家庭学習期間)
そして、冬休みには、3学期にローマ字で遊ぶから、家にあるものなどをローマ字で書いてごらん!と伝えました。
どう「あそんだ」のか?
3学期あけて早々から、早速「あそび」ました。ここまでの学習は、個々の取り組みに任せていたので、当然、日頃のまじめさ?の違いがありました。子どもたちには、書ける書けないを最初から気にしなくて良いこと、ローマ字表を見ながらやってよいことを伝え、以下の「あそび」を行いました。
①伝言ゲーム
私(教員)がお題を出し、座席の先頭に座っている子が、それを見てノートに書き、後ろの子に回していきます。一番後ろの子まで周り、その子が自分のノートに伝わってきたことばを書いて私のところまで持ってきます。合っていれば、OKです。
ただし、ここがミソなのですが、私がローマ字でことばを書いた場合は、先頭の子はノートにひらがなで書き、逆にひらがなで書いた場合はローマ字で書きます。
この後、子どもたちは、先頭の子のノートがひらがなであれば、次の子はローマ字で、その次の子はひらがな…というように、ローマ字とひらがなを交互に書いていきます。
そして、答え合わせ後は、ひらがなとローマ字を並べて書き、残しておく。これも大切なポイントです。というのも、この後のゲームでもそれがヒントになるからです。これについては、子どもたちも実感したらしく、しっかり書いていました(これはこの後のゲームも同様でした)。
これ、子どもたちがむちゃくちゃハマりました。表を見ながら、何とかして早く回そうとしていくうちに、表から見つけるのが早くなるし、そうしているうちに「覚えてきちゃった」という子もいました。また、ゲームで自分が上手くいかなかった子は悔しかったらしく、「本ちゃん、家でもいろんなものローマ字で書いてみた」など、自分でローマ字に取り組む子もいました。
②しりとり
これは、4人一組のチーム(班)に大きな紙を配り、制限時間(10分)で、ローマ字でしりとりをする、というものです。最初の子が、好きなことばから始め、普通にしりとりをします。
例 : neko→koi→inoshishi→shio→
時間が来たらストップします。ちなみに、しりとりが回っている間に時間がありますので、そこを利用してノートにしりとりを記録していきます。
その後、別の班と交換して、今度は4人で別の班のローマ字をひらがなに直しながら答えに◯をつけます。
例 : keito→toire→enpitsu→tukue→
けいと といれ えんぴつ つくえ
この場合は、「といれ」から「えんぴつ」は上手くつながっていません。また、「つくえ」も「tu」ですので、「tsu」に直してあげる必要があります。
読むのに時間もかかりますし、合っているかも迷うので、採点は時間がかかります。ちなみに、この例だと「書いた数=4」で、「あっていた数=2」となります。
慣れてくると、20個くらいは書けるようになってきます。
③みんなで答えよう!(仮題…)
これ、まだ題名は決めていないのですが、ルールは至って簡単です。
私が出したお題をノートに書き、それを何人か(私の場合は縦の一列)で一文字ずつ答えるというものです(ネプリーグ?か何かのゲームを参考にしました)。
例えば、私が「とけい」と書いたら、ノートには「tokei」と書きます。
そして、それを答える際は、縦に5人いる場合であれば、「t」「o」「k」「e」「i」と順に答えられればOKです。
ひらがなで答える場合は、私が「randoseru」と書いたら、「ら」「ん」「ど」「せ」「る」と答えたらOKです。
これは、何人組かで、一人ずつ答えられることばを準備するのも良いですし、慣れてきたらそれ以上になっても良いと思います。
おわりに
私は、これを3クラスで行いましたが、単元の終わりは「もっとやりたい!」とノリノリでした。あとは、思い出しのためにたまにやるかな、と思っています。
3つのゲームとも、お題を私が出しました。というのも、どのことば(文字)を出すかが重要だからです。
最初は、50音のみにする、授業冒頭のゲーム前に、簡単に「きって」なら「kitte」と書き、どういう法則なのかを伝え、それを実際に使える問題を出すようにしていたからです(この後のゲームで出ると分かっているので、ノートも一生懸命書いていました)。
クラスの実態に合わせて、徐々に難易度をあげていくとよいですよ!
他にも、こんなのある!というアイデアがあったら、ぜひください!